2026年7月26日日曜日

”仕事ができる人へなるために”

  

◎このブログで分かること

  1. 「仕事ができる人」を一言で言うと何なのか
  2.  相手の「負担」を減らすとは、具体的に何をすることなのか
  3.  今日から使える、負担を減らす5つの力
  4.  CG業界の現場でどう活かすか
  5. 「仕事が嫌い」と感じる、意外な原因

はじめに

『仕事ができる人の頭のなか』(木暮太一/ダイヤモンド社)という本を読みました。



前提として、私はまだまだ仕事ができると言える立場の人間ではありません。だからこそ少しでも仕事ができるようになるために、チーム/組織/会社、願わくは働く皆さんが少しでも仕事ができる人が増えていただければと思って書いてみました。

読み終えて、この1冊だけでもかなりのボリュームで語れる内容が詰まっていると感じたので、CG業界で働く皆さんに向けて学んだことを少しまとめてみようと思います。

長い文章が読むのが苦手な方は、著者の木暮太一さんが出演されているPIVOT動画↓
(【仕事ができる人の頭のなか】デキる人の5つの能力/"ために"で深掘り 言語化力を鍛える/目標と行動を明確に/目の前の相手の負荷を下げる/言語化コンサルタント・木暮太一氏【PIVOT TALK】
)
をご視聴ください。



1. 「仕事ができる人」= 相手の負担を減らせる人

そもそも「仕事ができる人」とは、どんな人のことを指すのでしょうか。本書が出す答えはシンプルです。

仕事ができる人とは、相手や周囲の負担を減らせる人のことだというのが、本書の核心です。
この言葉には、重要なことが含まれています。
・相手が主体であること。
・「仕事ができる人」はまわりが決める。
ということです。

これをCG業界で働く私たちに置き換えて、私なりの例で考えてみます。たとえば、こんな2人がいたとします。

  • Aさん:進捗を聞かれて「順調です」とだけ答える
  • Bさん:「モデリングは完了、テクスチャは6割です。質感表現のところで少し迷っていて、明日中に方向性を決めていただければ納期には間に合います」と答える

AさんとBさんどちらが仕事ができそうでしょうか?多くの方はBさんと答えるでしょう。
Bさんが仕事ができそうと判断したのは皆さんです。周りが決めていますよね。

同じ「順調」でも、聞いた側が抱える負担はまったく違います。Aさんの答えは、聞いた側がさらに「何が」「どのくらい」「大丈夫なの?」と聞き返さなければなりません。Bさんの答えは、それだけで次のアクションが取れる。この「相手の負担を増やしているか、減らしているか」という視点こそが、仕事ができる人とそうでない人を分けているのです。

どんなに頭が良くても、感じの良い人でも、AIを駆使しても、相手の負担を減らしていなければ「仕事ができる人」にはならないと述べられています。



2. 「相手の負担」には、実は2種類ある

ここからは、本書を読みながら私自身が考えたことも交えてお伝えします。

「相手の負担を減らす」というときの「負担」には、大きく分けて2種類あります。
精神的負担(相手の脳内ストレス)物理的負担(相手のタスク)です。

精神的負担の例を挙げると、

  • 締切に間に合わないのでは?と相手に思わせてしまう
  • 作業スピードやクオリティ不足から発生する焦り
  • 作業進捗や報告がないのでどこかつまずいていないのか?

といったものです。相手の心の中に生まれる「モヤモヤ」や「不安」や「ストレス」だと言えます。

一方、物理的負担は、

  • 結果的に仕事が増える
  • 想定していた作業内容を超える量のタスク
  • 同じミスを何回もしてしまい、FBやCBの回数が多くなる

といった、実際の作業量・工数として相手にのしかかってくるものです。

この2つは、原因も対処法も違います。精神的負担は、多くの場合「情報が足りないこと」から生まれます。進捗や見通しがわからないから不安になる。逆に言えば、こまめに状況を共有するだけで、精神的負担はかなり軽くできます。

一方、物理的負担は、こちらの準備不足や確認不足が、そのまま相手の作業量に転嫁されることで発生します。これは、事前の準備や自分での確認を徹底することでしか減らせません。


3. 負担を減らす5つの力

本書は、仕事ができる人に共通する力として、大きく5つを取り上げています。ここまでの「負担」という切り口で見ていくと、それぞれの力が持つ役割が見えてきます。
今回は言語化力をピックアップして説明します。他の事項については実際にこの本を読んでいただくor動画を見ていただければと思います。

  1. 言語化力 = もやっとしたものを、相手に伝わる言葉にできる力
    =相手が考えていることは何なのかを代わりに言語化できるようにすること
    例えば、部下が作業担当した物を提出して上司に「もっといい感じにしといて」と返答されたとしましょう。このいい感じとはなんでしょうか?上司にとっての「いい感じ」は脳内のイメージとしては存在しています。ですが言語化が難しいです。
    ここで使う言語化とは、
    ・上司側は『いい感じにする「ために」〇〇をしてください』と言う。
    ・部下側は『いい感じにする「ために」この部分を改善して〇〇にしようと考えていますがこれであってますか?他に足りない部分はありますか?』と確認をする。
    この「ために」を使って深堀りすることで曖昧な言葉が明確化することができます。

  2. 論理的思考力 = ゴールを明確化する&妥当な案を出す
    自分で論理的に考えて状況を整理し、質の高い作戦を選び自ら行動をできるようになる力です。
    この能力は数学が得意な人が多いですが、数学が苦手な方は落胆されてしまうかもしれません。しかしながらこの能力を補える可能性があるのがAIになります。

  3. コミュニケーション力 = 相手の脳内ストレスを下げるコミュ力
    ここでいうコミュ力とは、相手と仲良くできる会話/雑談できるといった友愛的コミュニケーションではなく、業務的コミュニケーションを指します。
    あなたの報連相がわかりずらいと相手に負担が増えてしまうので「自分の伝えたいことを相手に伝えられる」「相手の話や状況を把握する」「相手の話をまとめて翻訳できる」ことがこの本では説明されています。

  4. 対立しない力 = 意見の違いを関係の悪化に発展させない力
    対立することでよくあるのが「価値観が違う」と表現することが多いですが、本質は違います。価値観ではなく「べき論」です。
    自分が「こうするべき」と思っていることを相手がやらないからイラつき対立→関係悪化といった状況に陥ります。
    正解の反対は不正解ではなく、もう一つの正解を出す方法がこの本には書かれています。

  5. 行動力 = 相手に発生しそうなタスクを先回り&肩代わりして負担を下げる力
    指示待ち人間は無能な人材の代名として使われていますが、なぜそこまで嫌われているのか?それは指示をする側の人の負荷が減らないからです。
    「でも何していいかわからないです」と思ってしまう方もいると思います。
    そんな行動が出来ない原因と解決方法がこの本には記載されています。



4. CG業界の現場で、どう活かすか

CG制作の現場に当てはめると、こんな場面が思い浮かびます。

  • ディレクターに「もうすぐ終わります」とだけ伝える → 相手には「本当に間に合うのか」という精神的負担が残る。「あと〇〇の作業が残っていて、明日の夕方には確認いただけます」まで伝えれば、負担はほぼゼロになる
  • 仕様確認をせずに作業を進めてしまう → あとで手戻りが発生し、結果的にディレクターやプロデューサーの物理的負担(作業量)を増やしてしまう。事前の5分の確認が、あとの1時間の修正作業を防ぐ
  • フィードバックを受けたときに、対立を恐れて何も言わない → 疑問点を溜め込んだまま進めてしまうと、あとで大きな認識のズレとなって表面化し、精神的にも物理的にも負担が増える。その場で「〇〇という理解で合っていますか」と確認したほうが、双方にとって負担が少ない


5. 仕事が嫌いなのは、あなたが評価されていないから

ここまで、相手の負担を減らすための方法について書いてきました。なぜこれを身につける必要があるのか、少し踏み込んだ話をさせてください。

日本人93%の人は自分の会社に対して愛着がないという調査結果があります。

今、仕事や会社が楽しくないと感じているなら、それはおそらくあなたの仕事がきちんと評価されていないからです。評価されるためには、仕事ができるようになり相手を喜ばせなければなりません。そして仕事ができるようになれば、自然と評価はついてきて、仕事は今よりずっと楽しくなります。

しかも著者の木暮さん自身、これは「本当は評価されるべきだったのに、正当に評価してもらえなかった」という話ではないと振り返っています。単純に、当時の自分はまだ「仕事ができる」と言える状態に達していなかった、というだけだったと。

つまり「評価されない」という悩みは、会社や上司のせいだけとは限らず、自分の焦点の当て方を変えるだけで解決できるということです。


おわりに

「仕事ができる人」と「そうでない人」の差は、才能ではなく、「相手の負担を減らせているかどうか」という、ごくシンプルな視点の差でした。そして相手の負担には精神的なものと物理的なものの2種類があり、負担を減らすために5つの力があるというのが整理した内容です。

焦点を変えれば、評価は変わります。評価が変われば、仕事はきっと今より楽しくなります。ぜひ一度、『仕事ができる人の頭のなか』を手に取ってみてください。この記事が、あなた自身はもちろん、あなたのチームや会社で働く誰かにとっても、仕事を少しでも楽しめるきっかけになれば嬉しいです。

(この本に書かれていることが全て正しいとは思っていません。本の通りにやってもうまくいかないことだってあるかと思います。ですので実際に読んで試してうまくいかなければ改善し続けることが私個人としては重要だと考えています)

参考文献

  • 木暮太一『仕事ができる人の頭のなか』ダイヤモンド社
  • 【仕事ができる人の頭のなか】デキる人の5つの能力/"ために"で深掘り 言語化力を鍛える/目標と行動を明確に/目の前の相手の負荷を下げる/言語化コンサルタント・木暮太一氏【PIVOT TALK】
  • 世界でもっとも自分の会社を嫌う国民「日本人」